【ワインの基本知識】種類と違いをわかりやすく解説|赤・白・ロゼ・スパークリングの特徴とは?|初心者向け解説

ワインの種類についての基礎知識

「ワインって種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない…」

そんな風に感じたことはありませんか? 実は、ワインの基本を少し知るだけで、自分に合った一本を見つけるのがぐっと簡単になります。

この記事では、ワイン初心者から中級者に向けて、ワインの種類・特徴・他のお酒との違いをわかりやすく解説します。

ワインの種類
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目次

ワインと他の醸造酒との違い

ワインは「醸造酒」に分類されます。醸造酒とは、穀物や果実を発酵させて作るお酒のこと。ビールや日本酒もこの仲間です。

穀物などから造られる果実などから造られる
ビール(大麦)清酒(米)などワイン(ぶどう)シールド(りんご)など
原料の水分穀物自体には水分は含んでいないため仕込みに水が必要
➡仕込み水の味わいが、お酒の味わいに影響する
ブドウ自体に水分を含む
➡ブドウの味わいがそのままワインの味わいになる
糖分穀物自体に糖分を含まないため、デンプンの糖化の工程が必要ブドウ自体に糖分を含むため、糖化の工程が不要

アルコールは原料に含まれる糖分が、酵母の働きによりアルコールと炭酸ガスに分解され生まれます。

元々糖分を含んでいない穀物はそのままではお酒になることはありません。しかし、ブドウは元々糖分を含んでいますので潰して置いておくだけでも、条件が整えば自然に発酵してワインになります。(ちなみに日本では個人で醸造してワインにして消費することは法律で禁じられています)

ワインの味わいは80%~90%はブドウの品質で決まるとも言われています。

つまり、ワインは「果実そのものの水分と糖分」を活かして自然発酵で生まれるお酒。 このシンプルさが、ぶどうの出来がそのまま味に直結する理由です。

「良いワインは良いぶどうから」といわれるのはこのためです。

Photo by Evie Fjord on Unsplash

ワインは4種類に分けられる

大きく4種類に分けられます。

ワインは製法と特徴によって、次の4つに大別されます。

ワインの種類
  • スティルワイン(非発泡性:泡がないワイン)
  • スパークリングワイン(発泡性:泡があるワイン)
  • フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)
  • フレーバードワイン(香り付け)

スティルワインとは?

最も一般的で、日常的に飲まれているのがこのタイプです。いわゆる、よく口にする普通のワインです。

非発泡性のワインです。

ブドウ品種や醸造方法により、「赤ワイン」「ロゼワイン」「白ワイン」に分けられます。

ブドウの皮の渋みや色素が多く含まれる順番は、赤ワイン ー ロゼワイン ー 白ワイン です。 

それぞれに甘口から辛口までいろいろな味わいがあります。割合としては辛口の方が多くあるようです。

赤ワインとは?

黒ブドウ(皮の黒いブドウ)を皮ごと発酵させて造ります。皮、果肉、種と一緒に発酵を行い、色素、渋み(タンニン)やコクが強く抽出されていて色も味わいも濃くなります。

肉料理との相性が抜群。

ブドウは一般的に巨峰などの色の濃いものは「黒ブドウ/黒系ブドウ」、デラウェアなどの色が薄いものは「赤ブドウ/赤系ブドウ」と呼ばれ、ワインの材料として呼ぶときは「黒ブドウ」と言うようです。

白ワインとは?

白ブドウを使い、果汁だけを発酵させて造ります。皮が黃~緑色の「白ブドウ」と呼ばれるブドウを使い造られるのが白ワインです。

赤ワインと違って、白はプレスされた後の果汁のみで発酵が行われる為、色が薄く、タンニンも少ないです。果皮から抽出される成分が少ないので、さっぱりとした味わいのものが多いです。

すっきりとした酸味が特徴で、魚料理や和食にもよく合います。

ロゼワインとは?

赤と白の中間のような色合いと味わいを持ち、フルーティーで飲みやすいタイプ。食前酒としても人気があります。ロゼとはフランス語で”バラ色”の意味で、少しオレンジがかった濃いピンク色をしています。

ロゼワインは、ピンク色をしたワインを総称して呼ばれています。サーモンピンクがかったものから、赤ワインに近い濃い色合いのものまで幅広い色の種類があります。

この色合いは製法に起因し、どの様な製法で造られたロゼワインなのかは、色合いからある程度造り方を推測が出来るようです。

ロゼワインの製法

基本的には赤ワイン用の黒ブドウから造られます。

白ワインと同様の製法で造られる場合と、赤ワインの製造過程で造られる場合に分けられます。

  • 直接圧搾法(プレス法):皮や茎、種を取り除いてピンク色の果汁を発酵させる。淡い色合いが特徴。
  • 混醸法:黒ブドウと白ブドウを混ぜて仕込む方法。製造工程は白ワインと同じです。中間的な色合い。
  • セニエ法=マセレーション法:最も一般的な製法。赤ワインの醸造工程とよく似ています。赤ワインの工程の果汁だけを一部抜き取り発酵させます。濃い色のピンク色が特徴。

スパークリングワイン(発泡性)

炭酸ガスを含んだ爽やかなワイン。お祝いの席や乾杯に欠かせません。

特にシャンパンは、瓶内で二次発酵を行うなど、手間を惜しまない伝統製法で知られています。 長期熟成によって生まれるきめ細やかな泡は、まさに“特別な一本”です。

発泡性ワインの総称です。

ワインの中に炭酸ガスを含んだもので、3気圧以上のガス圧を持つものを言います。しっかり発泡するタイプと微発泡するタイプが有ります。

0.5~1気圧は微発泡性、1~2.5気圧のものを弱発泡性と分けられます。

製法だけでなく、造られる国や地域によって呼び名が変わるようです。

フランスではしっかり発泡はヴァン・ムスー、微発泡はヴァン・ペティヤンと呼ばれます。

代表的なスパークリングワイン

  • シャンパン(フランス シャンパーニュ地方で瓶内二次発酵方式で造られる)
  • カヴァ(スペイン)
  • フリッツアンテ、スプマンテ(イタリア)
  • シャウムヴァイアン、ゼクト(ドイツ)

シャンパンの特別な製造方法

フランスで最北のワインの産地であるシャンパーニュ地方。

ブドウ栽培の北限ギリギリの冷涼な土地で、この地方で伝統的に造られるスパークリングワインだけが
シャンパーニュ=シャンパンを名乗れます。

使用される葡萄の品種は、白ブドウはシャルドネ、黒ブドウはピノ・ノワール、ピノ・ムニエから造られます。

シャンパンの醸造法は途中まで白ワインと同じで、「瓶内二次発酵」という特殊な工程を加えられることで泡を発生させます。その後、瓶の中で15ヶ月以上熟成しなければいけないと法律で義務付けられています。

ヴィンテージシャンパーニュと呼ばれるものになると36ヶ月以上熟成されないと市場に出回らないとのことです。

熟成期間中は最初は横に寝かせて保管し、少しずつ瓶を回しながら瓶の口が下になるように動かし発酵で生まれた澱(おり=カス) を瓶の仮栓のところに集めます。

瓶の口を冷却し仮栓を外すと気圧により凍った澱が自然に飛び出します。
最後にドザージュと呼ばれ、ワインの原液と糖分を混ぜた門出のリキュールを補充して完成します。

ドザージュ

ボトルに打栓をする前の最後のひと手間。少量のリキュールを添加します。このリキュールを「門出のリキュール」と呼びます。多くの場合、サトウキビ糖をワイン1リットルに対し糖分500g~750gの割合で溶かしたものです。

ドザージュに使用するリキュールの量は、仕上げのスタイルにより異なります。

ドゥー、ドゥミ・セック、セック、エクストラ・ドライ、ブリュット、エクストラ・ブリュットの順に1リットル当たりの糖分の量が少なくなります。糖分が3g以下あるいは全く加糖していないワインはブリュット・ナチュール、ドサージュ・ゼロと表示することがができます。

これだけ大変な手間と時間を掛け、ゆっくりと置かれる熟成期間の中で、元々白ワインだったワインが発酵により、細かな気泡が生まれ、シャンパンとなります。

フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

発酵途中、または発酵後にブランデーなどの蒸留酒を加えてアルコール度数を高めたワイン。 保存性が高く、甘口から辛口まで幅広い味わいがあります。

甘口タイプはデザートワインとして、辛口タイプは食前酒として人気があります。

ワインもしくはブドウ果汁にブランデーなどの強いアルコールを持つお酒を加えて、全体のアルコール度数を高めます。通常のワインよりも高めの15%~20%を超えるアルコール度数を持ちます。

アルコール度数が高いということは腐敗を防ぐことが出来ることになりますので、保存性が高まることから暑い国々で発展しました。

このワインはアルコール分が一定量をを超えることで酵母が働けなくなり、アルコール発酵が止まります。アルコール発酵に伴う糖の分解も止まるため、通常のワインよりも糖を残すことができます。

これは酒精強化のタイミングにより甘さをコントロールすることができます。発酵が早いうちにアルコールを加えると糖分が残ることになり甘口、逆に発酵が進んでから加えることにより辛口に仕上がリます。

代表的なフォーティファイドワイン

  • シェリー(スペイン)
  • ポート、マディラ(ポルトガル)
  • マルサラ(イタリア)

フレーバードワイン(香り付きワイン)

ワインに果実やハーブ、スパイスを加えて香りを付けたもの。代表的なのが「ベルモット」です。

食前酒やカクテルの材料として親しまれています。甘口・辛口どちらもあり、アペリティフにぴったりです。

薬草や果実、ハチ蜜など甘味料などを加えたワインです。カジュアルなワインに果実などを漬け込むことで、個性的な香りと味わいに仕上がります。
最近人気なサングリアはワインに果物やスパイスを加えたものです。

代表的なフレーバードワイン

フレーバードワイン
  • 果実系:サングリア(スペイン)
  • 薬草系:ベルモット(イタリア等)
  • 松脂(まつやに):レッチーナ(ギリシャ)など

レッチーナはなぜ松脂?と思いますよね。
ギリシャでは、昔、ワインを壺に入れて運搬・貯蔵していた時代に壺の蓋に松脂を塗っていた松脂がワインに触れ溶け込んだものが美味しく人気が出たとのことだそうです。偶然の賜物ですね。

ワインをもっと楽しむために

ワインを選ぶときは、難しく考えすぎなくても大丈夫。 「今日は魚だから白」「肉だから赤」くらいの感覚で十分です。

飲み比べていくうちに、自然と自分の好みが見えてきます。 ワインは知識よりも、経験を重ねながら“自分の味覚”を育てるお酒です。

まずは気軽に、今日の食卓に1本ワインを加えてみましょう。 それが、ワインの世界を楽しむ第一歩になります。

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まとめ

ワインの種類を簡単に整理してみました。

嗜好の飲み物ですから自分で味わってみないと自分にとっての本当の美味しさは判りませんが、ワインの種類が理解できると少しでも好みのものがみつかり易くなると思います。

少しでも参考になればと思います。

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