高齢の母が一人暮らしをしています。今は何とか自分で生活していますが、年齢を考えると、これからのことを準備しておかなければと思うようになりました。
ただ、いざ考え始めると、何から手を付ければよいのか分かりません。
入院した場合の医療費、葬儀費用、銀行口座、実家のこと。気になることは次々と出てきます。
特に心配なのは、突然まとまったお金が必要になったとき、どのように支払えばよいのかということです。
そこで、母が元気なうちに何を確認し、どんな準備をしておけばよいのか、自分自身のためにも調べて整理することにしました。
同じように高齢の親を持つ方にも使っていただけるよう、確認事項をチェックリストにまとめています。
親が亡くなる前に準備すること一覧【チェックリスト】
母が元気なうちに確認しておきたいことを、医療・葬儀・銀行口座・実家などに分けて整理しました。
私自身、まだ確認できていないことがいくつもあります。すべてを一度に済ませるのは難しいので、できるところから少しずつ進めていくつもりです。
| 分野 | 確認・準備すること |
|---|---|
| 医療・介護 | □ かかりつけ医・病院を確認する □ 服用している薬を把握する □ 医療費・介護費の支払い方法を確認する □ 入院や治療について本人の希望を聞く □ 緊急時の連絡先を決める |
| 葬儀・お墓 | □ 希望する葬儀の形式を確認する □ 葬儀費用の準備状況を確認する □ 菩提寺・宗教・お墓を確認する □ 親族や関係者の連絡先を整理する |
| 銀行・預貯金 | □ 銀行名・支店名を確認する □ 預貯金・証券口座の所在を把握する □ 毎月の引き落とし先を確認する □ 借入金や未払い費用を確認する □ 当面の支払い資金をどう用意するか話し合う |
| 保険・年金 | □ 生命保険・医療保険の契約を確認する □ 保険金の受取人を確認する □ 年金関係書類の保管場所を確認する |
| 実家・不動産 | □ 土地・建物の所有名義を確認する □ 権利証などの保管場所を確認する □ 固定資産税・火災保険を確認する □ 空き家になった場合の管理方法を考える |
| 家族・相続 | □ 兄弟姉妹で連絡・役割分担を決める □ 費用の立て替えと精算方法を話し合う □ 遺言書の有無・保管場所を確認する □ 重要書類を整理する |
このチェックリストは、私自身も母や兄弟と話し合う際に使うつもりです。
印刷して確認できた項目にチェックを入れ、分からないことは残しておけば、次に何を確認すればよいかも分かります。
同じように親のこれからを考えている方にも、参考にしていただければと思います。
母が入院したら医療費はどう支払う?
最初に気になったのが、母が突然入院した場合のことです。
今は自分で生活していますが、病気やけがで動けなくなれば、銀行に行くことも難しくなります。
そのとき、入院費や介護費用は誰が支払うのか。母の口座から引き落としができるのか。考えてみると、きちんと確認していないことに気づきました。
医療費について確認しておきたいこと
- かかりつけ医と普段飲んでいる薬
- マイナ保険証・資格確認書などの保管場所
- 医療費や介護費用の支払い方法
- 入院時に家族が支払いを担当する場合の対応
医療費について調べてみると、「高額療養費制度」があることも改めて分かりました。
これは、1か月の医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じた上限を超えた場合に、超過分が支給される制度です。
ただし、差額ベッド代や食事代など、対象にならない費用もあります。
母の場合にどの程度の負担になるのか、実際に入院する前に一度確認しておきたいと思います。
治療や介護について母の希望も聞いておきたい
医療費だけでなく、どのような治療や介護を希望するのかも、元気なうちに話しておきたいことです。
調べてみると、厚生労働省が紹介している「人生会議」という取り組みがありました。
本人が望む医療やケアについて、家族や医療関係者と前もって話し合っておくというものです。
こうした話は切り出しにくいものですが、本人の希望を知らないまま家族が判断することは、できれば避けたいと思っています。
参考:厚生労働省「人生会議」
葬儀費用は準備していても、すぐに使えるとは限らない
葬儀費用については、母もある程度準備しているようです。
ただ、気になっているのは、そのお金を実際にいつ、どのように使えるのかということです。
葬儀社への支払いは、葬儀が終わってから一定期間内に求められることが一般的ですが、具体的な期限は契約によって異なります。
親のお金があっても、銀行口座の手続きに時間がかかれば、家族が一時的に立て替えることになるかもしれません。
準備してある金額だけでなく、支払いが必要になったとき、誰がどう用意するのかまで考えておく必要があると感じました。
葬儀について母に確認したいこと
- 一般葬・家族葬など、希望する葬儀の形式
- 葬儀費用として準備している金額と管理方法
- 費用が不足した場合の支払い方法
- 菩提寺への連絡やお布施のこと
葬儀の形式についても、母の希望をきちんと聞いておきたいと思います。
私の考えだけで決めるのではなく、母自身がどのように見送られたいのかを大切にしたいからです。
また、実際にそのときを迎えたら、何から手を付ければよいのかも気になりました。そこで、病院で亡くなった場合を想定して、最初に必要な手続きを順番に整理しています。

また、我が家には先祖代々のお墓があります。葬儀だけでなく、将来のお墓の管理についても考えておかなければなりません。
この問題については、以前から自分なりに考えており、別の記事にもまとめています。

銀行口座はどこにある?預貯金の確認が必要だと感じた理由
今回、いろいろと調べる中で、特に気になったのが銀行口座の問題です。
母がどこの銀行を利用しているのか、ある程度は分かっていても、口座が全部でいくつあるのか、証券会社との取引があるのかなど、確認できていないことがあります。
預貯金がどれだけあるかも気になりますが、それ以前に、どこに何があるのかを把握しておかなければ、必要な手続きも進められません。
まずは口座の所在を確認する
母に確認したいことを、次のように整理しました。
| 確認項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 銀行口座 | 利用している銀行名・支店名 |
| 証券口座 | 株式などを預けている証券会社 |
| 通帳・書類 | 保管している場所 |
| 定期支払い | 公共料金・保険料などの引き落とし先 |
| 借入金 | ローンや未払い金の有無 |
今は通帳のない銀行や証券会社もあります。紙の通帳だけでなく、利用している金融機関そのものを確認する必要があります。
ただし、親の財産を勝手に調べるわけにはいきません。本人の了解を得ながら、少しずつ確認していこうと思います。
暗証番号やパスワードについても、単に家族で共有すればよいわけではありません。本人が手続きできなくなった場合に備え、金融機関の代理人制度などを確認しておく方が確実です。
親が亡くなると銀行口座は使えなくなる?
調べてみて、改めて重要だと感じたことがあります。
銀行などの金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、原則として口座の入出金が停止され、相続手続きが必要になるということです。
一方で、遺産分割が終わる前でも、相続人が一定額の預貯金を払い戻せる制度があることも分かりました。
家庭裁判所を通さない場合、払い戻せる金額は次の計算によります。
相続開始時の口座残高 × 3分の1 × 払戻しを求める相続人の法定相続分
ただし、同じ金融機関から払い戻せる金額には150万円の上限があります。
必要な戸籍などの書類をそろえる手続きもあるため、亡くなった直後に簡単に引き出せるものではありません。
当面の支払い資金をどうするかが一番の心配
ここまで調べて、私が特に準備しておく必要があると感じたのは、当面の支払い資金です。
葬儀費用や医療費が必要になっても、親の預貯金をすぐに使えるとは限りません。
だからといって、家族がまとまったお金をいつでも立て替えられるとは限らないのも現実です。
まずは、次の3つを確認したいと思います。
- 入院や葬儀で必要になりそうな費用を調べる
- 親の資金を利用する場合の手続きを金融機関に確認する
- 家族が立て替える場合の負担と精算方法を話し合う
なお、親が元気なうちにお金を移しておけばよいのでは、と考える方もいるかもしれません。
しかし、親の預金を家族名義の口座へ移す場合は、贈与税や相続時の財産確認などに注意が必要です。
単純にお金を移動させるのではなく、まず金融機関に利用できる方法を確認することが大切だと分かりました。
生命保険や年金も確認しておく必要がある
銀行口座のほかに、生命保険や医療保険、年金についても確認しておかなければなりません。
生命保険に加入している場合、どこの保険会社なのか、受取人は誰なのかによって、亡くなった後の手続きが変わります。
保険会社や契約内容が分からなければ、必要な保険金の請求もすぐには進められません。
まずは保険証券や契約内容のお知らせが、どこに保管されているのかを確認しておきたいと思います。
年金は亡くなった後どうなる?
年金についても調べてみました。
日本年金機構によると、年金を受け取っていた人が亡くなった場合、亡くなった月分までの未支給年金を、一定の条件を満たす遺族が請求できる制度があります。
ただし、誰でも請求できるわけではなく、亡くなった人と生計を同じくしていたことなどが条件になります。
今のうちに確認することとしては、年金証書や年金関係の通知書がどこにあるのかを把握しておけばよさそうです。
実家はどうする?まず土地と建物の名義を確認したい
母が一人で暮らしている実家のことも、以前から気になっています。
父が亡くなってから長い年月がたちますが、実家の土地や建物の名義が現在どうなっているのか、私はまだ確認できていません。
もしかすると、父の名義が残ったままになっているかもしれません。
実家は今も母が住んでいるので、急いで売却するような話ではありません。しかし、将来誰も住まなくなれば、維持管理や片付け、売却などを考える必要が出てきます。
相続登記が義務化されていることも分かった
調べてみると、2024年4月1日から相続登記が義務化されていることが分かりました。
しかも、それ以前に発生した相続も対象になります。
2024年4月1日より前に相続によって不動産を取得したことを知っていた場合、原則として2027年3月31日までに相続登記が必要です。後から相続による取得を知った場合などは、期限の考え方が異なります。
我が家の場合、まず登記事項証明書で実際の所有名義を確認しなければ、手続きが必要なのかも判断できません。
古い名義が残っている場合は、法務局や司法書士に確認することも考えています。
実家が空き家になったらどうする?
もう一つ考えておきたいのが、母が住まなくなった後の実家です。
建物も古くなっており、今後もそのまま維持するのか、売却するのか、それとも解体するのか。いずれは家族で決めなければならないと思います。
ただし、今すぐ結論を出せる問題ではありません。
まずは、次のことを整理しておきたいと思います。
- 土地・建物の現在の所有名義
- 権利証・登記識別情報などの保管場所
- 固定資産税や火災保険の支払い状況
- 誰も住まなくなった場合の管理方法
- 家財道具や思い出の品の整理
実家の処分には費用がかかる可能性もあります。売却するにしても、家の中の片付けや必要な手続きなど、考えることは少なくありません。
まずは母の考えを聞き、兄弟とも話し合えるように準備しておきたいところです。
兄弟姉妹で何を分担する?長男として気になっていること
私には弟と妹がいます。
私は長男なので、母に何かあったときには、自分が中心になって動くことになるのかもしれないと考えています。
ただ、だからといって、すべてを一人で決められるわけではありません。
母の財産や実家のことは兄弟にも関係することですし、費用の負担も含めて相談しておく必要があります。
特に気になるのは、突然支払いが必要になったときのことです。
誰が手続きを進め、誰がお金を用意するのか。これを決めずにそのときを迎えると、混乱してしまいそうです。
家族で分担しておきたい役割
そこで、必要になりそうな役割を表にしてみました。
| 役割 | 担当する人 |
|---|---|
| 病院・介護施設との連絡 | ________ |
| 葬儀社・菩提寺との連絡 | ________ |
| 親族への連絡 | ________ |
| 葬儀費用などの支払い | ________ |
| 銀行・保険・相続手続き | ________ |
| 実家の管理・片付け | ________ |
この表も、実際に兄弟で話し合うときに使えればと考えています。
長男だからすべてを引き受けるということではなく、それぞれの事情に合わせて分担する方が現実的だと思います。
費用を立て替える場合には、誰がいくら支払ったのか、領収書と記録を残しておくことも必要でしょう。
借金があった場合は相続放棄にも注意が必要
相続について調べると、預貯金や不動産だけでなく、借金なども相続の対象になることが分かりました。
相続放棄を考える場合は、原則として、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。
また、相続財産を処分することで、相続放棄ができなくなる場合もあります。
我が家では借金はないと聞いていますが、確認していない契約などがないかも、できれば調べておきたいところです。
まずはこの5つから準備を始めよう
ここまで調べてみると、想像していた以上に確認することがあると分かりました。
ただ、今からすべてを準備しようとしても、なかなか進まないと思います。
そこで、私自身が最初に取り組みたいことを5つに絞りました。
- □ 母が利用している銀行・証券会社を確認する
- □ 医療費・葬儀費用をどう支払うか考える
- □ 葬儀や医療について母の希望を聞く
- □ 実家の土地・建物の名義を調べる
- □ 弟・妹と役割や費用負担について話し合う
まずは、この5つを確認することから始めようと思います。
中でも、銀行口座の所在と実家の名義は、早めに調べておきたいことです。
分からないことがあれば、その都度確認していけばよいと考えています。
まとめ|母が元気なうちにできることから始めたい
今回、親が亡くなる前に何を準備しておけばよいのか、自分自身のために整理してみました。
最初は漠然と不安に感じていましたが、医療費、葬儀費用、銀行口座、実家のことなど、確認すべきことを一つずつ書き出すことで、何から始めればよいのかが見えてきました。
もちろん、調べて分かったことと、実際に準備ができていることは別です。
私自身、まだ母に確認していないことや、兄弟と相談していないことがいくつも残っています。
それでも、何も準備せずにそのときを迎えるより、今から少しずつ確認しておいた方がよいと思っています。
何より大切なのは、母がこれからも安心して暮らせることです。
この記事のチェックリストが、同じように高齢の親のことを考えている方にとっても、準備を始めるきっかけになればうれしいです。




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