ビール・発泡酒・第三のビールは何が違う?日本の酒税法で整理!

発泡酒の違い

仕事終わりの乾杯や、晩酌に欠かせないビール。
日本ではビールだけでなく、発泡酒や「第三のビール(新ジャンル)」も一般家庭に広く浸透しています。
しかし、これらの違いは単なる味や価格だけではなく、日本独自の酒税法上の分類によるものです。

本記事では、ビール・発泡酒・第三のビールの違いと税率の仕組みをわかりやすく解説します。

目次

発泡酒とは?

日本の酒税法に関する規定の違いによります。

ビール風味の発泡アルコール飲料でビールと区別して定義されています。

1990年代に登場した発泡酒は、ビールの主原料である麦芽の使用量を減らし、その代わりに大麦、米、糖類などを使って製造されました。これにより、ビールに似た味わいを維持しながら、価格を抑えた庶民向けのお酒として生まれたのです。

発泡酒とは

1990年代に登場。
ビールの原料の麦芽の使用割合を下げて、そのかわりに大麦、米、糖類などの割合を増やしてビール風アルコール飲料。
ビールより低価格で庶民の味方として生まれました。

第三のビール(新ジャンル)とは?

「第三のビール」は、ビール・発泡酒に次いで登場した新しいジャンルの発泡性アルコール飲料です。
マスメディアが便宜的に「第三のビール」と呼んだことから広まりましたが、正確にはビールではないため、各メーカーは「新ジャンル」と表現しています。

ビール風味の発泡アルコール飲料

  • ビール、発泡酒とは別の原料、製法で作られています。
  • 発泡酒に別のアルコール飲料(大麦、小麦を問わない麦由来のスピリッツや焼酎)を混ぜる。
  • 税制上はビールや発泡酒に分類されない

ビールとは

ビールは、基本的に以下の原料で作られます。

モルト(麦芽)、ホップ、酵母、水

起源は欧州で特にベルギー地方で製造されたとされています。

ラガー系、エール系 に大きく2種に分類(発酵には3種)されています。

ビールの詳細については、こちらの記事をご参考に!

税率の違いと今後の変化

日本ではビール・発泡酒・新ジャンルの税率が異なり、この差が価格や市場動向に影響しています。

財務省が発表している「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」の税率の違いの表と今後の税率の変化です。

以外に清酒・果実酒・チューハイ等の税率です。

 類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、税収中立の下、酒税改正を実施します。

○ ビール系飲料の税率について、2026年(令和8年)10月に、1㎘当たり155,000円(350㎖換算54.25円)に一本化します(2020年(令和2年)10月から3段階で実施)。

○ 醸造酒類(清酒、果実酒等)の税率について、2023年(令和5年)10月に、1㎘当たり100,000円に一本化します(2020年(令和2年)10月から2段階で実施)。

○ その他の発泡性酒類(チューハイ等)の税率について、 2026年(令和8年)10月に、1㎘当たり100,000円(350㎖換算35円)に引き上げます。これにあわせて、低アルコール分の蒸留酒類及びリキュールに係る特例税率についても、2026年(令和8年) 10月に引き上げます。

財務省

税率は変わって行きます!

酒税一覧
出典:酒税一覧 財務省HPより

  酒税法では、酒類をその製造方法や性状に着目して、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の4種類に分類し、担税力に応じた負担を求める等の観点から、その分類ごとに基本税率を定めた上で、品目ごとに異なる税率を定めています。

財務省
酒税一覧
出典:酒税一覧

原料や副原料などの価格差がなければ、この税率違いが店頭価格での差となります。
このように、原料や製法による違いだけでなく、税率の違いも価格差につながっています

2026年の酒税

2026年10月以降、ビールと発泡酒の税率が統一されるため、税率による価格差はなくなります。これにより、消費者にとっては価格差に惑わされず、より自由に選べる時代が到来します。

日本のビールは海外より高い?

日本では、ビール類(発泡性酒類)の税率は海外に比べて高めです。
アメリカではビールはソフトドリンク扱いとなり、ウィスキー類よりも税金が安く設定されています。

日本で、ビール類(発泡性酒類)と蒸留種類の税金は1キロリットル当たりでは、
 ビール類:18万千円
 蒸留酒類:20万円

1キロリットル当たりでみるとビール類の方が安いですが、これをアルコール濃度で比較すると。
 ビール類  5%
 蒸留酒類 20%

アルコール濃度換算では、ビール類は蒸留酒の約4倍高い税負担になっています。

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まとめ

  • 発泡酒はビールより麦芽量を減らしたビール風アルコール飲料
  • 第三のビール(新ジャンル)は発泡酒に他アルコールを混ぜた新しいカテゴリー
  • ビール、発泡酒、第三のビールは税率の違いによって価格差が生まれる
  • 2026年10月以降、ビールと発泡酒の税率は統一され、価格差は解消される

庶民の味方として誕生した発泡酒や第三のビールも、税制改正により市場構造が変化します。これを機に、自分の好みのビールを楽しんでみましょう。

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