本格的な夏を迎える頃ジメジメとした日が続くとあの嫌な痒みをもたらす、蚊が発生する時期になります。そんな危惧をしている時に、なんと一晩に何箇所も蚊に刺されてしまった経験はありませんか。
これって何匹も部屋に居たのか?でも、耳元に来たのは何匹も居るようには感じられませんでした。
そんな日本にいる代表的な蚊についてあれこれの紹介です。
活発になる気温の範囲は?
気温が15度くらいから血を吸い始め25度から30度になると一番活発に活動します。30度以上になると反対に活動は鈍くなります。
35度を超えるような猛暑が続いた時には、あまり被害にあうことは少なかったと記憶します。
蚊を発生させないために出来ること
そもそも蚊を増やさないことが大事!!
蚊の発生について知ることです。
蚊の産卵
蚊は水溜りに卵を産みます。1回に100~300個の卵を生むと言われているそうです。
ちょっとした水溜りでボウフラが動いているのを見たことがありませんか。
この水にたまりに産卵し2~5日程度でボウフラになって4回ほど脱皮を繰り返しながら成長し、早いと1週間ほどで蛹(サナギ)のオニボウフラとなり、3日程度で成虫になります。
家の周りで産卵させないためには
蚊は産卵場所として水辺を選びます。池や水田など以外にも都会でもちょっとした水溜りがあれば産卵してしまいます。
ボウフラは泳ぎは得意ではありません。水に流れのない静かなところに生息します。
家の周りに何気なく置いてある植木鉢の水皿、バケツや空き缶、古タイヤなど水がたまりやすいものがありませんか。
それらは絶好の繁殖場所となります。
空き缶に溜まった少量の水でも増殖できるそうです。
冬はどうしている
冬はどのように過ごしているでしょうか。種類によって活動は違うようです。
日本で身近に見られるのはアカイエカ・ヒトスジシマカ・チカイエカの3種類だそうです。
アカイエカ
茶褐色の蚊です。日本全国に幅広く分布していてよく見かける蚊です。夜行性で寝ているときにブーンと聞こえてくる羽音の正体はこの蚊が多いです。
アカイエカの成虫は産卵・吸血ができるのは春から秋です。寿命は約1ヶ月程度です。
しかし、晩秋に羽化したメスは、越冬に適した状態になり、産卵や吸血の活動は停止し休眠状態で4ヶ月ほど生きて越冬します。
越冬の成虫は温度変化の小さい暗い場所を好みます。下水溝や床下、物置小屋の隅、洞窟などに潜んでいます。
なおこの越冬するのはメスだけだそうです。オスは交尾を済ませると冬が来る前には死んでしまいます。
ヒトスジシマカ
俗にヤブカと呼ばれる蚊の仲間です。特徴としては背中の中央に1本の白い縦筋が有ります。公園など緑のあるところで刺される蚊はこの種が多いようです。
ニュースで話題になるデング熱やチクングニヤ熱などの感染症を媒介します。
気温が10度よりも低いと幼虫も成虫も生存出来ません。
卵で越冬します。
この蚊は夏に生まれる卵と、越冬のための卵には違いがあります。冬の寒さを経験しないと孵化(ふか)しません。
日長が13時間よりも短くなる9月中旬ごろから、越冬のための卵が生まれ始めるようです。
ヒトスジマイカのボウフラと蛹(サナギ)
卵から孵ったボウフラ
蛹(サナギ)の状態
チカイエカ
「◯◯イエカ」と呼ばれる蚊にはチカイエカ、アカイエカ、コガタアカイエカなどがあげられます。
この中でチカイエカは他の蚊にない生態を持っています。
多くの蚊は、メスが産卵のために人や動物から血を吸いますが、このチカイエカは最初の1回目だけは血を吸わずに産卵することが出来るのが特徴で、無吸血産卵と呼ぶようです。
そのため人や動物がいない場所でも繁殖が出来てしまいます。しかし、2回目の産卵からは血を吸わないと産卵が出来ないため血を吸いにきます。
屋内に適応した蚊です。都市部の地下にできた水溜りに発生します。名前の通りですね。
ビルの地下浄水槽に発生したり公園の道路脇の雨水マス、排水溝などの水溜りに発生したりします。
休眠は出来ないそうです。気温が20度前後の条件で満たされた建物の内部であれば1年中繁殖します。
冬に蚊に刺されるのは、このチカイエカの可能性が高いとのことです。
刺されるとなんでかゆくなる?
さされた時のかゆみが発生するのは、蚊が吸血する時に血が固まるのを阻止する唾液に対して、私達の体がアレルギー反応するからです。
メスだけ!
オスは吸血しません!!
吸血するのはメスだけ。産卵に向けての準備です。
卵を量産するにはタンパク質が必要になります。血を吸わなくとも10個程度は産卵できるようですが、吸血で血を十分吸うと600個程度の産卵が出来るとのことです。
1匹の蚊が生涯に産卵するのは3~4回程度だそうです。したがって吸血するのも3~4回程度となります。
メスの蚊は交尾の後の産卵に必要なエネルギーを確保するため、人間や動物などに近づいて血を吸います。
飛んでいる蚊は、1秒間に約500回程度羽を動かすことで、450Hz~500Hzの周波数の羽音を響かせます。
この羽音は人間にとっては不快な音ですが、オスの蚊にとってはこの音を聞いてメスに近寄り交尾をするのだそうです。
しかし、メスの蚊は羽音には無反応だそうです。
何に近づく!?
従来は二酸化炭素に近づくとされています。そのため頭部分に寄ってくると思われていました。
最近の考えでは蚊を引き寄せるバクテリアがあり、そのバクテリアは足の方に多く有るため、蚊に刺されやすい人の足には常在菌の種類が多い事によるもののようです。
満腹
蚊はだいたい2mgの血を吸うと満腹になるようです。
体の倍以上の重さです。
普通、私達は動いたりして蚊が満腹になるまでじっとしていることが有りません。そのため蚊は吸っては逃げ、また吸っては逃げ満腹になるまで繰り返します。
そのため一晩に何箇所もさされてしまった訳です。
どうやって吸血する?
蚊の口器は平均で約2mmほどの長さです。人の皮膚に1~1.5mmを挿入しているので半分から3分の2を刺しているのです。
このとき6本もの針を差し込んでいます!!
ナイフの様な一対の大顎と、ノコギリのような一対の少顎の4本の探り針
一本の細い管(血液を固まりにくくする液を注入する管・咽頭)
一本の太い管(血液を吸い上げる管・上唇)
この6本をしまうサヤ(下唇)の7つから出来ています。
蚊の寿命
蚊の成虫の寿命は1ヶ月程度で、産卵の間隔はおおよそ1週間ほどだそうです。
成虫になって約4回程度の産卵をすることになります。
蚊の種類
世界には約3500種、日本には112種がいるそうです。
これだけ多い種類ですが、全てが人から吸血するわけではないようです。
日本で人を刺す蚊はアカイエカ、ヒトスジシマカなど10種類ほどだそうで人を襲う蚊は少ないのです。
病気の媒介
蚊が媒介することでマラリヤやデング熱、日本脳炎などの病気になると聞きます。
これらの病気は蚊が作り出しているわけでは有りません。
病気を持った人の血を吸った蚊が、次の人の血を吸う時に移してしまうのです。したがってこの様な病気が流行っていない地域では蚊に刺されても病気になることはほとんど無いとのことです。
防御法
最近流行りの防御法として、「足首から下をアルコールで消毒する」と良いようです。
さされてしまったら、Amazonの売れ筋ランキング上位の商品はこちら。
おわりに
蚊は約2mgの血を満腹になるまで吸血するため、一晩に何箇所もさされてしまうようです。
蚊を発生させない環境を整え、足裏をきれいにして部屋に入れないよう注意して就寝したいものです。
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