春になると、カラフルな卵やうさぎをモチーフにした「イースター」の飾りを見かけることがあります。
しかし、日本ではクリスマスやハロウィンほど定着していないため、「イースターって何の日?」「いつ行われるの?」と思う人も多いのではないでしょうか。
イースターは、イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の重要な祝祭です。そして、クリスマスのように毎年同じ日ではなく、年によって日付が変わります。
2027年のイースターは3月28日(日)です。
この記事では、イースターの日付が毎年変わる理由から、いつごろ始まったのか、卵とうさぎが使われる意味、日本ではなぜ広まりにくいのかまでまとめます。
2027年のイースターはいつ?
西方教会で祝われる2027年のイースターは、3月28日(日)です。
イースターの日付は固定されていないため、年によって3月になったり4月になったりします。
| 年 | 西方教会のイースター | 主な正教会のイースター |
|---|---|---|
| 2026年 | 4月5日(日) | 4月12日(日) |
| 2027年 | 3月28日(日) | 5月2日(日) |
| 2028年 | 4月16日(日) | 4月16日(日) |
2027年を見ると、西方教会と多くの正教会では1か月以上も日付が異なります。

イースターって毎年同じ日じゃないんだね。2027年は3月28日なんだ!
なぜイースターは毎年日付が変わる?
一般的には、イースターは「春分の日の後、最初の満月の次の日曜日」と説明されることがあります。
ただし、厳密には天文学上の春分や実際に観測される満月をそのまま使うわけではありません。
西方教会では、教会暦上の春分を3月21日とし、教会暦によって求められる「満月」の後に来る最初の日曜日をイースターとします。
イースターは毎年3月22日から4月25日までのいずれかの日曜日になります。
そのため、クリスマスの12月25日のように「毎年この日」と覚えることができません。



春分の日を基準にするだけじゃなくて、満月と日曜日も関係しているから毎年変わるんだね。
西方教会と正教会で日付が違うのはなぜ?
カトリックや多くのプロテスタントなどの西方教会と、多くの正教会では、イースターの日付を求める際に使う暦が異なるため、違う日に祝われることがあります。
西方教会では現在一般的に使われているグレゴリオ暦を基準にしますが、多くの正教会ではイースターの日付の計算にユリウス暦を用います。
ただし、年によっては同じ日になることもあります。2028年は、西方教会と多くの正教会のイースターがともに4月16日となります。
イースターとは何の日?
イースターは、日本語では「復活祭」と呼ばれます。
新約聖書では、イエス・キリストは十字架刑によって亡くなった後、3日目に復活したとされています。イースターは、このキリストの復活を祝う日です。
そのため、イースターは単なる春のイベントではなく、キリスト教において中心的な意味を持つ祝祭の一つです。
イースター前の金曜日は、キリストの受難と十字架刑を記念する「グッド・フライデー(聖金曜日)」、その後の日曜日が復活を祝うイースターとなります。
イースターはいつから始まった?
キリストの復活を記念する信仰そのものは、初期キリスト教の時代から存在していました。
ただし、初期のキリスト教社会では、復活を祝う日付について地域による違いがあり、現在のように統一された形ではありませんでした。
大きな転機となったのが、西暦325年に開かれたニカイア公会議です。
ここでイースターの日付を決める考え方が整理され、その後、現在につながる「春分の時期と満月、日曜日を基準にする」方法が広く使われるようになりました。
つまり、イースターは近代になって作られたイベントではなく、1700年以上にわたり受け継がれてきたキリスト教の祝祭です。
「イースター」という名前の由来
英語の「Easter」という名称については、8世紀のイングランドの修道士ベーダが、春の時期に関係する「Eostre(エオストレ)」という名前の女神について記したことから、そこに由来するという説が知られています。
ただし、この語源については研究者の間でも議論があり、「春の女神エオストレがイースターの直接の起源」とまで断定することはできません。
また、英語以外では「Pascha(パスカ)」など、ユダヤ教の過越祭(Passover)につながる名称が広く使われています。
なぜイースターには卵とうさぎが登場する?
宗教行事であるイースターに、なぜカラフルな卵やかわいらしいうさぎが登場するのでしょうか。
現在では、どちらも「生命」「再生」「春」と結びついたイースターを代表するシンボルとなっています。
卵(イースター・エッグ)の意味
卵は、殻の中から新しい命が生まれることから、古くから生命や誕生を連想させる存在でした。
キリスト教文化の中では、そのイメージがキリストの復活と重ねられ、イースターを象徴するものとして定着していきました。
現在では、本物の卵に色を塗るだけでなく、卵の形をしたチョコレートやお菓子もイースターの定番となっています。
うさぎ(イースター・バニー)の意味
うさぎや野うさぎは繁殖力が高いことから、ヨーロッパでは古くから生命や豊穣を連想させる動物でした。
ドイツでは、子どもたちのために卵を運んでくる「イースター・ヘア(野うさぎ)」の伝承が広まり、後に移民によってアメリカへ伝えられたとされています。
現在の「イースター・バニー」は、宗教的な象徴というより、子どもたちが楽しむイースター文化のキャラクターとして世界的に知られています。
モアイ像で知られるラパ・ヌイ(イースター島)に、オランダ人航海者ヤーコプ・ロッヘフェーンが到達したのは1722年のイースターの日でした。そのため、ヨーロッパでは「イースター島」と呼ばれるようになりました。
島にはそれ以前からポリネシア系の人々が暮らしていたため、「1722年に島が発見された」というより、「ヨーロッパ人が到達し、イースター島というヨーロッパ名を付けた」とする方が正確です。


海外ではイースターをどう楽しむ?
イースターの祝い方は国や地域、宗派によって異なりますが、宗教行事だけでなく家族で楽しむ春のイベントとしても親しまれています。
- 卵に色や模様を描くイースター・エッグ
- 隠した卵を探すエッグハント
- 卵を転がして競うエッグロール
- 春らしく飾った帽子や衣装で行うパレード
- 家族や友人と囲む特別な食事
イースター・エッグハント
庭や公園、家の中などに卵を隠し、子どもたちが探す遊びです。
現在では本物の卵だけでなく、お菓子や小さなおもちゃを入れたプラスチック製の卵なども使われます。
イースター・エッグロール
卵を地面の上で転がして楽しむイースターの伝統的な遊びです。
アメリカでは、ホワイトハウスで行われる「ホワイトハウス・イースター・エッグロール」が有名です。
ホワイトハウスでの恒例行事として始まったのは1878年。ラザフォード・B・ヘイズ大統領が、イースター翌日の月曜日に子どもたちへホワイトハウスの庭を開放したことから続く伝統です。
イースター・ボンネットとパレード
花や卵、うさぎなど春らしい装飾を施した帽子をかぶり、街を歩くイースターの行事もあります。
特にニューヨークでは、華やかな帽子や衣装を楽しむ「イースター・パレード&ボンネット・フェスティバル」が知られています。
家族で囲むイースターの食事
イースターには、家族や親しい人が集まり特別な食事を楽しむ家庭も多くあります。
食文化は国によって異なりますが、卵料理やパン、肉料理、ケーキ、チョコレートなどさまざまです。宗教行事であると同時に、家族が集まる大切な機会にもなっています。
なぜイースターは日本で広まらない?



卵やうさぎはかわいいのに、どうして日本ではハロウィンほど広まっていないんだろう?
海外では大きな行事であるイースターですが、日本ではクリスマスやバレンタイン、ハロウィンほど一般的ではありません。
理由を一つに絞ることはできませんが、日本では広まりにくいと考えられるいくつかの特徴があります。
毎年日付が変わる
クリスマスは12月25日、バレンタインは2月14日、ハロウィンは10月31日と、毎年同じ日です。
一方、イースターは3月下旬から4月下旬まで日付が動きます。
イベントを毎年同じ時期に展開しにくく、消費者にとっても「今年はいつ?」と確認しなければならない点は、行事として覚えにくい理由の一つと考えられます。
宗教的な意味が強い
日本のクリスマスは、宗教行事というよりイルミネーションやプレゼント、食事などを楽しむイベントとして独自に定着しました。
それに対し、イースターは「キリストの復活」という宗教的な意味と強く結びついています。
卵やうさぎという親しみやすいモチーフはあるものの、「何を祝う日なのか」が日本ではまだ十分に知られていないことも、広がりにくさにつながっていると考えられます。
日本の春にはすでに多くの行事がある
イースターが行われる3月から4月は、日本では卒業、入学、入社、年度替わり、花見などが重なる時期です。
春そのものを楽しむ文化としても桜や花見が定着しているため、新たな春のイベントが入り込む余地が比較的小さいことも考えられます。
それでもイースターを見かける機会は増えている
日本でまったく知られていないわけではありません。
テーマパーク、ホテル、菓子店、商業施設などでは、卵やうさぎをモチーフにした春の商品やイベントが行われることがあります。
宗教行事としてではなく、「春を楽しむイベント」として触れる機会が増えれば、クリスマスやハロウィンとは異なる形で日本に定着していく可能性もあります。
日本でもイースターは気軽に楽しめる
イースターを楽しむために、大きなイベントへ出かける必要はありません。
家族で卵に絵を描いたり、チョコレートやお菓子を隠してエッグハントをしたり、うさぎや卵をモチーフにした料理やデザートを作ったりするだけでも楽しめます。
「今年のイースターはいつだろう?」と調べることから、海外の文化や宗教、歴史に触れるきっかけにしてみるのもよいでしょう。
まとめ
イースターは、イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の重要な祝祭です。
2027年のイースターは3月28日(日)。ただし、教会の伝統や使用する暦によって日付が異なり、多くの正教会では5月2日(日)となります。
卵は生命や再生、うさぎは豊穣や新しい命を連想させるものとして、長い歴史の中でイースターを代表するシンボルになりました。
日本ではまだ定番行事とはいえませんが、カラフルな卵やうさぎ、春らしい食事など、宗教や文化の背景を知りながら楽しめるイベントでもあります。
毎年日付が変わるからこそ、「今年のイースターはいつ?」と確認するところから、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。



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