2022年北京オリンピックのカーリング女子日本代表が準決勝に進出した際、「負けたのにどうして?」と話題になりました。その背景には、カーリング独特のDSC(ドローショットチャレンジ)というルールがあります。DSCは、試合の勝敗だけでは順位が決まらない場合に使われ、日々のショットの精度を積み重ねることで、最終的な順位が決まる仕組みです。
この記事では、私が北京オリンピックで実際に感じた「なるほど」の体験をもとに、DSCの仕組みと、日本チームが準決勝に進めた理由を具体的な数字を交えてわかりやすく解説します。過去の事例を理解することで、今後のオリンピックや他の国際大会でも、試合の見方がより深まります。
【結論】
2022年の北京オリンピックで日本が準決勝へ進めたのは、3チームが5勝4敗で並び、直接対決でも差がつかなかったため、最終的に「DSCの平均距離」で日本が上位になったからです。
北京オリンピックでの日本のケース
予選リーグ最終日、日本は世界ランク2位のスイスに敗れ、5勝4敗で試合を終えました。
しかし、同じタイミングで行われた英国とカナダの試合結果により、3チームが5勝4敗で並ぶという状況になりました。直接対決の成績でも、3チームとも1勝1敗で差がつかず、順位を決めるためにDSCが適用されました。
最終的な判定はDSC(ドローショットチャレンジ)によるものでした。
DSC(ドローショットチャレンジ)とは?
DSCとは、試合前に行う「LSD(ラストストーンドロー)」の精度を基に、同率チームの順位を決める方法です。
LSDでは、先攻・後攻を決めるために両チームの選手がハウス(円)の中心に石を投げ、距離を測定します。この距離の平均が短いほど精度が高いとされ、DSCでは試合期間中に積み重ねられたLSDの平均距離で順位が決まります。
複数チームが同じ勝敗で並び、直接対決の結果でも優劣がつかないときに使われる“順位決定方法”です。
両チーム2人づつがショットして、ハウス中心から石の中心の距離を測定し、その距離が短い方が先行か後攻の選択権が与えられます。
・ハウス(円)の中心にどれだけ近いか
・1試合につき全チームが行う
・もっとも遠かったショット2投を除き、16投の平均距離を算出
平均距離が“シーズン通しての正確さ”を表しているため、同率チームの順位決定に採用されているのです。
距離が短い=精度が高い=順位が上。
DSCとは、試合ごとに先攻、後攻を決める際に行われているLSD(Last Stone Draw ラストストーンドロー)で判定することです。
日本チームのDSC結果
北京五輪の予選リーグ最終日、日本は世界ランク2位のスイスに敗れました。
結果、日本は5勝4敗。
しかし同じタイミングで英国とカナダも5勝4敗で並びます。
直接対決の成績は、3チームとも1勝1敗でまったく優劣なし。
そこで最終的な判断材料として採用されたのがDSCでした。
●英国 35.27cm
●日本 36.00cm
●カナダ 45.44cm
わずかに英国には及ばなかったものの、カナダより大きく精度が高かったため、日本は同率チームの中で4位となり、準決勝進出が決定しました。試合に勝利していなくても、LSDの積み重ねによって勝ち抜けたのです。
「負けたのに勝ち抜けた」ように見えるのは、このルールが理由です。
■ LSDとDSCはどう違うのか?
- LSD(Last Stone Draw):試合前に行うショットで、先攻・後攻を決める。
- DSC(Draw Shot Challenge):LSDの積み重ねの平均距離で、同率チームの順位を決める指標。
つまり、毎試合の正確なショットが、最終的な順位に大きく影響するという、カーリングならではの合理的なシステムです。
精度の積み重ねが勝利を導く
北京オリンピックでは、日本チームは予選リーグ8日間、毎試合で正確なLSDを積み重ねました。この積み重ねがDSCに反映され、同率チームの中で上位となり準決勝に進むことができたのです。
カーリングでは、単に勝敗だけでなく、日々の正確なプレーの積み重ねが最終的な結果につながる点が特徴的です。
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まとめ
- 勝敗や直接対決で決まらない場合、DSC(Draw Shot Challenge)によって順位が決まる
- DSCはLSD(Last Stone Draw)の平均距離で計算され、距離が短いほど精度が高く、順位が上になる
- 日本は北京オリンピックでこのDSCにより上位となり、準決勝進出を果たした
このように、DSCはカーリング独特の合理的な順位決定システムであり、今後のオリンピックや国際大会でも注目される可能性があります。DSCの仕組みを理解することで、試合の見方がより深まり、選手の精度や戦略をより楽しめるようになります。


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