携帯電話の新しい番号帯「060」は、制度上は2024年12月に利用可能となり、現在は各携帯電話会社が順次運用に向けた対応を進めている段階です。
日本では携帯電話の利用はすでに広く普及しており(総務省統計ベースで8割超)、番号の枯渇が現実的な問題になってきました。
これまで携帯電話の番号は「090」「080」「070」と順に拡張されてきましたが、2026年時点では、『090』『080』は新規にまとまった空きが出にくい状態になっており、『070』も残りが少なくなっているとされています。。
そのため、総務省は新たな選択肢として「060」の導入を決定しました。
この記事では、
・なぜ「060」が必要になったのか
・携帯電話番号はどう変わってきたのか
・自分の番号はいつ頃のものなのか
・「060」でどれくらい番号が増えるのか
を、できるだけわかりやすく整理して解説します。
なぜ「060」をまだ見かけないのか?
制度上は2024年12月から利用可能になっていますが、現時点では街中や知人の番号で「060」を見かけたことがない、という人がほとんどではないでしょうか。
これは、「060」が解放されたからといって、すぐに一気に市場に出回るわけではないためです。
新しい番号帯は、まず各キャリアが在庫として確保し、既存の「090」「080」「070」が混み合ってきた段階で、順次割り当てられていくのが一般的です。
そのため、当面は新規契約や追加回線の一部に限定して使われ、既存ユーザーが急に「060」に変更されることはありません。
また、企業向け回線やデータ通信用回線など、一般ユーザーの目に触れにくい用途から使われ始める可能性もあります。
このため、「制度としては始まっているのに、実際にはほとんど見かけない」という状態がしばらく続くと考えられます。
ただし、「制度上の開始」と「実際に一般ユーザーが契約で目にするようになる時期」にはタイムラグが生じるのが一般的で、060も当面は限定的な用途や一部の新規契約から使われていくと見られます。
つまり、「060」を見かけないのは不自然なことではなく、番号の需給バランスを見ながら段階的に使われていく過渡期にあるだけ、というわけです。
携帯電話「060」はいつから?なぜ導入されるのか
携帯電話の新しい番号帯「060」は、制度上は2024年12月から利用可能になっています。
これは、現在使われている「090」「080」「070」といった番号帯の空きが少なくなり、将来的な番号不足が現実的な問題になってきたためです。
日本では携帯電話の普及率がすでに86%以上に達しており、多くの人が1人1台以上のスマートフォンや携帯電話を持つ時代になっています。さらに、仕事用と私用で複数回線を持つ人や、企業で多数の回線を契約するケースも増え、使われる電話番号の総数は年々増加しています。
これまで携帯電話の番号は、「090」→「080」→「070」と段階的に拡張されてきましたが、2024年時点では「090」と「080」はほぼ割り当てが完了し、「070」も残りが少ないとされています。
このままでは、新規契約や回線の追加に支障が出る可能性があるため、総務省は新たな番号帯として「060」を携帯電話向けに開放する方針を決定しました。
「060」の導入によって、約9,000万件分の新しい番号が追加される見込みです。
これは、今後も続くスマートフォン利用の拡大や、複数回線利用の増加に対応するための、いわば将来を見据えた予防的な対策とも言えるでしょう。
つまり、「060」は突然の変更ではなく、これまでの「090」「080」「070」と同じく、利用者の増加に合わせて必要に迫られて追加される、ごく自然な拡張だというわけです。
携帯電話番号の歴史とこれまでの拡張(090・080・070)
日本の携帯電話は、もともと自動車電話としてスタートしました。
主な流れは次のとおりです。

・1979年:自動車電話サービスとして「030」導入
・1985年:NTTの「ショルダーホン」のサービスが始まり
・1990年:女子中高生を中心にポケベルが大ヒット
・1996年:人口普及率10%、携帯電話契約数は約1,200万台
・1999年:携帯電話とPHSの電話番号が10桁から11桁に増え、「090」が携帯電話番号用に割り当てられる
・2000年:携帯電話の機能性が進歩
・2002年:「080」が追加
・2006年:ナンバーポータビリティ制度開始
・2007年:Appleが初代iPhoneを発表。翌年ソフトバンクが「iPhone3G」を発売
・2013年:「070」開放。普及率100%を超える
・2024年:12月に「060」が携帯電話番号帯として制度上追加
携帯電話の普及とともに、番号も段階的に拡張されてきたことがわかります。
自動車電話の時代
1979年、日本の移動通信は自動車電話から始まりました。
当時の番号は「030-CD-XXXXX」という形式で、加入者ごとに5桁の番号が割り当てられていました。
その後、「040」も追加されましたが、これは当時の交換網の都合や、通話距離によって料金が変わる仕組みを分かりやすくする目的もあったとされています。
1988年には、NTT(当時の電電公社)以外にも、
IDO(日本移動通信)やセルラーが自動車電話サービスに参入し、移動通信は少しずつ一般にも広がっていきました。
なお、電話を「持ち運ぶ」という発想が現実になったのは、1985年に登場したショルダーフォンからです。
重さは約3kgもあり、今のスマホとは比べものにならないサイズでした。
携帯電話としての普及
1990年代に入ると、携帯電話は本格的に一般向けのサービスとして普及し始めます。
この頃も番号は「030」から始まっていましたが、続く数字によって事業者や地域が判別できる仕組みになっていました。
この2桁の識別用の数字は事業者認識コード(CDコード)と呼ばれ、当初は2桁、のちに3桁へと拡張されています。
1990年代になり携帯電話として本格的に使われるようになりました。
この時も『030』で始まりましたが、その後の2桁でどこの事業者のどの地域で加入かが判るようになっていました。
例えば、
・030-13:ドコモ関東
・030-11:ドコモ北海道
・030-16:関西
・030-5:IDO
・030-6:セルラー
といった具合に割り当てられていました。

1994年ごろから携帯電話の普及が本格化しました。この頃から端末の買取制度、デジタル方式の導入が始まりました。
携帯とPHSの番号が11桁に
1999年元日の午前2時を境に、携帯電話、PHSの電話番号が10桁から現在の11桁になりました。
それまでは、
携帯電話:『010』、『020』、『030』、『040』、『080』、『090』
PHS :『050』、『060』
が割り当てられていました。
それまでは複数の番号帯が混在していましたが、利用者の急増によって番号が不足することが明らかになったためです。
この変更により、
・「090」:携帯電話用
・「070」:PHS用
として整理され、現在の11桁番号体系がスタートしました。
その後、携帯電話の利用者増加に対応するため、
2002年に「080」、2013年には「070」が携帯電話向けにも開放され、現在に至ります。
増えた数字には法則が!
それまでの番号に対して
PHSの場合は『070』に続いて「050」は「5」、「060」は「6」が加わり
携帯電話の場合は『090』に続いて「010」は「1」、「020」は「2」、「030」は「3」、「040」は「4」、「080」は「8」、「090」は「9」の数字が加わりました。
番号はリサイクルされる
携帯電話番号は、一度解約されるとすぐに他人に使われるわけではありません。
通常は約1年程度の保留期間を経て、再び別の契約者に割り当てられます。
そのため、まれに「以前の持ち主宛ての連絡」や「取り立ての電話」がかかってくる、といったトラブルが起きることもあります。
また、MNP(番号そのまま乗り換え)制度の影響もあり、
「番号だけで古い・新しいを正確に判断することは難しい」という点には注意が必要です。
一度発行された携帯電話番号は解約されても使われなくなり、有る期間を経てリサイクルされます。
・『090』1999年に割り当てだが、それ以前のものも含んでいます。主に40代以上と考えられます。
・『080』2002年に割り当てられ、実質的には2000年代後半から割り当てのため。20代~40代が中心。
・『070』2013年に割り当てされ更に『060』が割り当てられる状況です。
2億7000万のパターンで使用される番号は、日本の人口の約2倍に相当します。(理論上の組み合わせ数)
新たな番号が必要になる背景は、携帯電話料金の値下げなどにより、複数台持ちの人が増えたことと、企業利用が増えたことも有ります。プライベートと会社用で2つ以上携帯を持つためかなりの利用が増えています。
解約された番号は約1年の期間を空けて、別の契約番号として割り当てられます。
そのため以前の持ち主の使用状況によっては、借金の取り立ての電話がかかってきたなどのトラブルが発生する事も有るようです。
古くから使われていると推定される電話番号
090‐3系列
090-31D‐XXXXX、090-32、090-33も
1979年から1996年頃までに旧電電公社やドコモで取得した場合の可能性が高く、自動車電話に使われていた可能性も有ります。
ほとんどの場合は契約が増えた1994年以降にドコモで新規発行された番号の可能性が高いです。
090-35D‐XXXXX
1988年以降にIDO(日本移動通信)で契約された番号。
090-31系列と同様に1994年以降に取得した可能性が高い。
090-36D‐XXXXX
1988年以降にセルラーで契約された番号。
090-31系列と同様に1994年以降に取得した可能性が高い
090-38D‐XXXXX
1994年以降ツーカーで契約された番号
090-39D‐XXXXX
1994年以降デジタルホンで契約された番号
090-8、090-1系列
1996年以降に取得された番号
090-2、090‐4
1997年以降に取得された番号
070-5、070-6系列
PHSで1995以降に契約した番号の可能性
080系列
2002年以降に取得された番号
070-5、070-6以外(070-1など)
2014年以降に取得された携帯電話番号
2006年開始されたMNP(MobileNumberPortability)や以前使われていた番号が数年後に再利用される制度があるため、番号による古い新しいは現状とは異なる場合があります。
「060」でどれだけ増えるのか
今回「060」が携帯電話番号として開放されることで、
約9,000万件分の新しい番号が追加されるとされています。
これまで「090」「080」「070」でカバーしてきた番号枠がほぼ限界に近づいているため、
複数台持ちの増加や、企業利用の拡大に対応するためにも、新しい番号帯の追加は避けられない状況でした。
「060」は迷惑電話が増える?安全性について
新しく始まる番号帯「060」について、「迷惑電話が増えるのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。
結論から言うと、「060」だから迷惑電話が多くなる、という根拠はありません。
迷惑電話の多くは、特定の番号帯を狙って発生するのではなく、
・どこかから流出した電話番号リスト
・自動発信システムによる無作為発信
・過去に使われていた番号の再利用
といった仕組みでかかってくるケースがほとんどです。
実際、これまで「070」が携帯電話向けに開放されたときも、「070は迷惑電話が多いのでは?」という声がありましたが、特定の番号帯だけが危険になるという明確なデータはありません。
「090」や「080」であっても、迷惑電話がかかってくることはありますし、逆に「070」でもまったく問題なく使えている人は大勢います。
ただし、携帯電話番号は一定期間を空けて再利用(リサイクル)される仕組みがあるため、契約直後の番号に、以前の利用者宛ての電話がかかってくる可能性はゼロではありません。
これは「060」に限らず、どの番号帯でも起こりうることです。
不安な場合は、各キャリアが提供している
・迷惑電話フィルター
・迷惑SMSブロック
・着信拒否設定
といった機能を有効にしておくことで、実用上のリスクはかなり減らせます。
つまり、「060」は新しい番号帯というだけで、特別に危険というわけではなく、他の番号帯と同じ感覚で使えると考えて問題ありません。
まとめ
2024年12月から、新たに携帯電話番号「060」が制度上は利用可能となりました。
これは「070」が携帯向けに開放されて以来、約11年ぶりの新しい番号帯です。
携帯電話の歴史は、利用者の増加とともに番号の拡張を繰り返してきました。
「060」もその流れの延長にあり、今後の通信環境を支えるための自然な対応と言えるでしょう。


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