中国発の人気キャラクター人形「ラブブ(LABUBU)」が、今度は“偽物問題”で注目を集めています。
これまで世界中に模倣品をばらまいてきた「偽物大国・中国」ですが、今では逆に自国発のキャラクターを守るために必死に取り締まりを行う立場に。
最近は中国各地で偽造ラブブの大量摘発が相次ぎ、被害総額は数億円規模にのぼります。まさに“自業自得”とも言える状況ですが、同時に中国のコンテンツ産業の変化も映し出しているのです。
ラブブとは?中国発の人気キャラクター
「ラブブ(LABUBU)」は、中国のトイメーカー POP MART(ポップマート) が展開するキャラクター人形シリーズ「The Monsters(ザ・モンスターズ)」の一員。
デザイナー 龍家昇(How2work) が生み出した個性的なキャラで、大きな目とユーモラスな表情が特徴です。
特にブラインドボックス形式の販売がファンの収集欲を刺激し、中国国内だけでなく日本や欧米でも人気が急上昇。原宿の直営店や各種コラボで話題になり、今や“世界的人気キャラ”に成長しています。
Unbox This Giant Labubu? #labubu #labubus #labubumonsters pic.twitter.com/n9fmbjP6zk
— Labubu (@labubutoys) July 23, 2025
火付け役となったのはBLACKPINKのリサさんと言われています。
BLACKPINKリサがラブブに! 「デッドライン」ワールドツアーで全身ピンクのカスタム衣装#BLACKPINK #リサ #ラブブhttps://t.co/OyX0SXc3ha pic.twitter.com/qMWP7qPw11
— WWDJAPAN (@wwd_jp) August 28, 2025
偽物が急増、中国当局が摘発
人気が高まる一方で、当然のように偽物が大量流通する事態に。
2025年9月、中国・上海の警察は ラブブ人形の偽物5000体以上を押収。市場価格にして 約2.5億円相当 にのぼるとされています。
さらに中国税関でも、ラブブ関連の偽造グッズ 7000点以上 が通関時に差し止められたと報じられています。
「偽物大国」と揶揄される中国が、今度は自国発のキャラクターを守るために必死になっているという、皮肉な構図が浮かび上がります。
なぜ中国が本気で取り締まるのか
背景には、中国のコンテンツ産業の成長があります。
これまで中国は「偽物を作る側」として世界から批判されてきました。しかし、POP MARTをはじめとする国内発のコンテンツ企業が世界市場で成功し始めた今、偽物に自国のブランド価値を奪われるリスクが高まっています。
「偽物を作る国」から「守る国」へ。これは中国が IP(知的財産)保護 を強化し、国際的な信頼を得ようとする流れの一環とも言えます。
偽物を見抜くポイント・チェックリスト
消費者がラブブを手に入れるときに気をつけたいのは次の点です。
- 公式販売店や正規代理店で購入する(通販では特に要注意)
- 価格が極端に安すぎないかチェックする
- パッケージやタグの印刷の粗さを確認する
人気キャラクターだからこそ、偽物も巧妙。見分ける目が必要です。
チェックリスト
| チェック項目 | 本物の特徴 | 偽物の特徴 |
|---|---|---|
| パッケージのロゴ | 公式ロゴが鮮明で、フォントや色味が均一 | ロゴがかすれていたり、フォントや色味が不自然 |
| シリアル番号・QRコード | 製造番号やQRコードがあり、公式サイトで認証可能 | 番号が無い、または架空の番号が使われている |
| 造形と塗装の精度 | 顔や体のラインが滑らかで、塗装ムラがない | 目や口のラインがずれていたり、色ムラが目立つ |
| 素材感と重さ | 手触りや硬さが一定で、質感が高い | 軽すぎたり、安価なプラスチック感がある |
| 販売元・価格 | 正規販売店や公式オンラインショップでの購入が安心 | 相場より極端に安いものは偽物の可能性が高い |
| 付属品や説明書 | 小さな冊子やシールなどの付属品が揃っていることが多い | 説明書がない、または印刷が粗い |
まとめ:中国の変化を映すラブブ問題
ラブブをめぐる偽物摘発は、単なる海賊版事件にとどまりません。
「偽物を作る側」だった中国が、今は「守る側」へと立場を変えざるを得ない現実を象徴しています。
ラブブはキャラクターとしての可愛さ以上に、 中国社会の変化を映す存在 なのかもしれません。


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