目には見えない電磁波の赤外線を「見える化」する、ちょっとした豆知識の紹介です。
今や誰もが持っているカメラ付きのスマホやiPhoneで確認することが出来ます。
基本的な原理なども簡単に説明し、そのやり方を解説します。
赤外線とは?
赤外線には可視光と同じような性質を持った我々人間の目には見えない近赤外線と、波長がより長い中赤外線・遠赤外線があります。
ここでのリモコンの可視化の紹介は、近赤外線についてになります。
身近に使われているテレビなどのリモコンは、ボタンを押すと先端部から赤外線が出ています。
赤外線は可視光では無いため直接目で確認することができません。
「人間には見えない」この性質を使ってリモコンには赤外線を採用しているのです。
リモコンを操作するたび送信部がチカチカと光ると、私達が生活する上で邪魔になってしまうからです。
可視光でも技術的には通信は可能です。
赤外線を見る
実は一昔前のデジタルカメラやビデオカメラなどでは赤外線を見ることができました。
イメージセンサは近赤外線も捉えることができるため、私達が目にしているものとは違った写り方になってしまうため、最近のカメラには赤外線カットフィルター(IRカットフィルタ)がつけられているのです。
このフィルタを通すことで750nm近辺よりも長い波長の電磁波はカットされています。
そうすることで私達が目にする色合いで、写真や映像になるように改良されているのです。
最近のスマホには、リアカメラとフロントカメラがあります。
この2つのカメラは目的により性能に違いがあります。
先程の説明のようにリアカメラにはIRカットフィルタが施されていることが多くなっています。
これは写真撮影時によりきれいに撮れるように改良しているのです。
フロントカメラには自分の顔を写してテレビ電話などに使う目的であるため、写真としての写り方は追求されていません。
そのためフロントカメラにはIRカットフィルタなどが施されていないのがほとんどです。
つまりiPhone・スマホなどのフロントカメラを使うことで、赤外線を映すことが出来るわけです。
iPhoneのフロントカメラで、写真やビデオにすると、リモコンのボタンを押した時に先端部の発光部が光っているのが確認出来るのです。
上記の写真を見比べると違いがわかります。
リモコンOnで赤外線が発光しています。
電磁波とは?
電磁波という言葉を聞いたことがあると思います。
簡単に説明します。
赤外線は電磁波の一部です。
電磁波とは、電界と磁界が相互に作用して組み合わさり、空間を伝達する波のことです。
電界と磁界が互いに影響し、遠くへ波のように伝わる現象が発生します。
この波を電磁波といい、波の伝わる場所を電磁界といいます。
電磁波は、波長(あるいは周波数)に応じてさまざまな種類があります。
放射線(γ線・X線)、光(紫外線・可視光線・赤外線)、電波、電磁界に分類されます。
人間の目は波長が380nm~780nmの電磁波を捉えることができ、それぞれの波長を色として感じ取れます。
私達がものを見て認識するときには、物体から出る電磁波の光の波を目で捉えているのです。
豆知識 1️⃣
この目に見える領域の電磁波は目で捉えることが出来ることから「可視光」といいます。
豆知識 2️⃣
可視光は衣服で反射します。一方、赤外線は衣服を透過して肌で反射します。
薄い生地の衣服では透過してしまいます。
最近は対策された素材が多くなり透けにくくなっていますが、赤外線カメラを使って撮影すると普通のカメラとは違った画像になります。
動物ではヘビなどが見ている景色に近いものになるようです。
昔一般に市販されていたビデオカメラなどでは、カットフィルタが組み込まれていない時代があり透けて見えてしまうカメラなどが有りました。
おわりに
iPhoneやスマホのフロントカメラを使うと赤外線が確認出来ることの紹介でした。
古いカメラやビデオでも同様に確認することができます。
ちょっとした豆知識の紹介でした。
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