ニュースを見ていたときに、突然「フレネミー」という聞き慣れない言葉が出てきて、「どういう意味なのだろう」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
フレネミーとは、簡単に言えば、友達のように接しているものの、実際には相手を傷つけたり、足を引っ張ったりする人を表す言葉です。
若者の間で使われる新しい言葉のように見えますが、表面上は仲良くしながら、陰では悪口を言う人や、褒めているように見せて相手を下げる人は、以前から身近な人間関係の中に存在していました。

聞いたことのない言葉でしたが、意味を知ると「ああ、こういう人は昔からいた」と感じます。
この記事では、フレネミーの意味や語源、どのような言動がフレネミーと呼ばれるのか、なぜZ世代を中心に注目されているのかを整理します。
フレネミーとはどういう意味?
フレネミーは、英語のFriend(フレンド・友達)と、Enemy(エネミー・敵)を組み合わせた言葉です。
フレネミーの意味
- 友達のふりをしている敵
- 友好的に接しているものの、相手への敵意や競争心を持つ人
- 友人でありながら、ライバルや敵のような面も持つ人
英英辞書のMerriam-Websterでは、友達である、または友達を装っているものの、何らかの面で敵やライバルでもある人とされています。
Cambridge Dictionaryでは、友達のふりをしているものの、実際には敵である人という意味で掲載されています。
つまり、単純に「嫌いな人」や「仲の悪い人」を指すのではありません。表面上は友達として付き合っているため、相手の本心が分かりにくい点がフレネミーの特徴です。
フレネミーは本当に最近生まれた新語なのか
日本では2026年にSNSなどを通じて注目されていますが、フレネミーという言葉自体が、2026年に初めて作られたわけではありません。
Merriam-Websterには、フレネミーの初期の使用例として1891年が掲載されています。海外では以前から使われてきた言葉が、SNS上の「フレネミーあるある」などをきっかけに、日本の若者にも広がったと考えられます。
2026年7月15日に配信されたTBS NEWS DIGの記事では、「THE TIME,」が若者の間で使われている言葉としてフレネミーを取り上げました。
そのため、厳密には新しく誕生した言葉というよりも、以前から海外にあった言葉が、日本で改めて注目されていると捉える方が自然です。
フレネミーにはどのような特徴がある?
フレネミーは、最初から明確な悪意を見せるとは限りません。普段は親しそうに話し、相談にも乗ってくれるため、友達だと思って付き合い続けるケースもあります。
しかし、何度も接しているうちに、言葉や行動に小さな違和感が積み重なっていきます。
褒めているように見せて相手を下げる
フレネミーに多いとされるのが、褒め言葉の中に悪意や皮肉を混ぜる言い方です。
- 「写真だと実物より若く見えるね」
- 「メイクで肌をきれいに隠せているね」
- 「意外と仕事ができるんだね」
- 「その服を着こなせるなんて勇気があるね」
一見すると褒めているようですが、よく考えると容姿や能力を遠回しに否定しています。このような言い方は「褒めているのか、けなしているのか分からない」という違和感を残します。
人前で言わなくてもよいことを話す
本人が知られたくない失敗や私生活の情報を、ほかの人がいる前でわざと話す行動も、フレネミーの例として挙げられます。
本人から相談された悩みを別の人に話したり、「そういえば、この前失敗していたよね」と人前で蒸し返したりする行為です。
話している本人は冗談のつもりでも、相手の評価を下げたり、恥をかかせたりする結果になっていれば、友達として信頼できる行動とはいえません。
2人のときと大勢のときで態度が変わる
2人だけのときには優しく褒めてくれるのに、ほかの人がいる場所では急に否定したり、笑いものにしたりする人もいます。
周囲の注目を集めるために友人を話題にしたり、自分の立場をよく見せるために相手を下げたりする行動です。
その場の雰囲気に合わせて言い方が変わることは誰にでもあります。しかし、特定の人だけを繰り返し下げるのであれば、単なる冗談ではない可能性があります。
成功や幸せを素直に喜ばない
友人の昇進や結婚、資格取得などのよい出来事に対して、素直に祝わず、水を差すような発言をすることも特徴の一つです。
- 「でも、これから大変になるよ」
- 「運がよかっただけじゃない?」
- 「その会社なら誰でも昇進できるでしょう」
- 「今は幸せでも、この先は分からないよ」
友人であれば、心配から現実的な意見を伝えることもあります。違いは、相手を思って話しているのか、それとも喜びや自信を削ぐために話しているのかという点です。
SNSで自分だけがよく見えるようにする
SNSの普及により、フレネミーと受け取られる行動も変化しています。
自分だけがきれいに写っている写真を選んで投稿したり、限られた友人だけに公開された内容を、見られない人の前で話題にしたりする行為です。
写真の選び方だけで相手をフレネミーと決めつけることはできませんが、相手への配慮より、自分をよく見せることを繰り返し優先している場合には注意が必要です。
フレネミーと悪口を言う人は何が違う?
フレネミーは、悪口を言う人やライバルと似ていますが、まったく同じ意味ではありません。
| 言葉 | 主な意味 |
|---|---|
| フレネミー | 友達として接しながら、敵意や競争心を持つ人 |
| ライバル | 同じ目標や立場で競い合う相手 |
| 悪口を言う人 | 相手を否定したり、批判したりする人 |
| 裏表がある人 | 相手や状況によって態度を大きく変える人 |
| 空気が読めない人 | その場の雰囲気や相手の気持ちに気づきにくい人 |
ライバルであっても、互いを尊重し、相手の成功を認められる関係であればフレネミーとは限りません。
また、悪意がなく、単に言葉選びが苦手だったり、場の雰囲気を読み違えたりしただけの人を、すぐにフレネミーと決めつけるのも適切ではありません。



一度嫌なことを言われただけで判断するのではなく、同じような行動が繰り返されているかを見ることが大切ですね。
なぜフレネミーがZ世代で流行しているのか
フレネミーという言葉が若者の間で広がった理由の一つは、これまでうまく表現できなかった人間関係の違和感に、名前が付いたことです。
友達から嫌なことを言われても、「悪口を言われた」と強く抗議すると関係が悪化する可能性があります。かといって、何も言わなければ自分だけが傷ついたままになります。
そこで、「今の発言、フレネミーじゃない?」と軽い言葉で返すことにより、完全なけんかにせず、不快だったことを相手に伝えやすくなります。
TBS NEWS DIGの記事では、若者から、フレネミーという言葉ができたことで指摘しやすくなったという趣旨の意見が紹介されていました。
SNSによって友人関係が常に見える時代では、学校や職場を離れても人間関係が続きます。投稿への反応や写真の選び方、誰と行動したかまで周囲に伝わるため、以前よりも友人関係に気を使う場面が増えています。
強い言葉で相手を責めるのではなく、冗談に近い形で違和感を伝えられる点が、フレネミーという言葉の使いやすさにつながっているのでしょう。
フレネミーは若者だけの問題ではない
フレネミーという言葉はZ世代を中心に注目されていますが、そのような人間関係は若者だけに存在するものではありません。
職場では、普段は協力的に見える同僚が、上司の前では自分の失敗だけを強調したり、仕事の成果を自分のものとして報告したりすることがあります。
地域や趣味の集まりでも、親しそうに接しながら、本人がいない場所では批判を繰り返す人がいます。
以前は「腹黒い人」「裏表のある人」「友達のふりをしている人」などと表現されていました。フレネミーは、それらの複雑な関係を一言で表せる言葉だと考えれば分かりやすいでしょう。
相手がフレネミーか見分けるポイント
フレネミーかどうかを、たった一度の発言だけで判断することはできません。
次のような言動が継続しているかを確認することが重要です。
- 一緒にいると自信を失うことが多い
- 褒められているのに、なぜか傷つく
- 秘密や失敗をほかの人に話される
- 成功や幸せな出来事に水を差される
- 自分が困っているときに楽しそうに見える
- 2人のときと人前で態度が大きく変わる
- 話した内容を後から利用される
- 会った後に疲れや不安が残る
一つ当てはまっただけで、相手をフレネミーと断定することはできません。しかし、同じような言動が続き、自分だけが繰り返し傷ついているのであれば、関係を見直すきっかけにはなります。
フレネミーだと感じたときの付き合い方
相手に違和感を覚えても、すぐに絶交したり、周囲に「あの人はフレネミーだ」と広めたりする必要はありません。
個人的な情報を話しすぎない
悩みや秘密、仕事上の失敗など、広められると困る情報を話す範囲を少しずつ減らします。
相手との関係を完全に切らなくても、情報の渡し方を変えるだけでトラブルを防ぎやすくなります。
嫌だったことを穏やかに伝える
関係を続けたい相手であれば、「みんなの前でその話をされるのは嫌だった」「その言い方は少し傷ついた」と、具体的に伝える方法があります。
相手に悪意がなければ、伝えたことで行動を改めてくれる可能性があります。反対に、気持ちを伝えても笑って済ませたり、さらに責めたりする場合は、距離を置く判断材料になります。
会う回数や連絡を少しずつ減らす
学校や職場など、完全に関係を切れない相手もいます。その場合は、必要な連絡だけに絞り、2人きりになる場面を減らすなど、無理のない範囲で距離を取ります。
相手を変えようとするより、自分が傷つかない距離を保つ方が現実的な場合もあります。
自分もフレネミーになっていないか注意する
フレネミーは、必ずしも最初から相手を傷つけようとしている人だけではありません。
場を盛り上げようとして友人の失敗を話したり、褒めたつもりの言葉が相手を傷つけたりすることは、誰にでも起こり得ます。
友人の成功を見たときに、うらやましさや焦りを感じることも自然な感情です。問題は、その感情を理由に相手を下げたり、失敗を望んだりする行動を繰り返すことです。
「自分の言葉は相手を応援するものだったか」「笑いを取るために誰かを傷つけていなかったか」と振り返ることも、良好な人間関係を保つうえで大切です。
フレネミーは正式な心理学や医学の診断名ではない
フレネミーは、人間関係の状態や相手の言動を表す日常的な言葉です。正式な心理学用語や医学上の診断名ではありません。
そのため、特定の言動だけを見て、相手の性格や人格を決めつけるために使う言葉ではありません。
便利な言葉が広まる一方で、自分と意見が合わない人や、注意してくれた人までフレネミーと呼んでしまうと、本当に大切な友人関係を失う可能性もあります。
大切なのは言葉の分類ではなく、相手との関係によって自分が継続的に傷ついていないか、互いに尊重し合えているかを考えることです。
まとめ|フレネミーは友達と敵の両面を持つ人
フレネミーとは、友達を意味する「Friend」と、敵を意味する「Enemy」を組み合わせた言葉です。
表面上は友好的に接しているものの、相手を下げる発言をしたり、成功を喜ばなかったり、秘密を周囲に話したりする人を指して使われます。
ニュースで初めて聞いた人には新しい若者言葉に見えますが、意味を知ると、昔から存在していた人間関係を表した言葉であることが分かります。



聞き慣れない言葉でしたが、「友達のように見える敵」と考えると、意味はとても分かりやすいですね。
ただし、一度の失言だけで相手をフレネミーと決めつけるのは避けるべきです。同じような言動が繰り返され、自分が傷つき続けている場合には、話す情報を減らしたり、適度に距離を置いたりすることが大切です。


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