中国のJ-15戦闘機レーダー照射問題|日本が“無線通達の真偽”を公表しない理由は?なぜ自衛隊は沈黙を貫くのか【4つの理由】

レーダー照射

中国のJ-15戦闘機レーダー照射問題、日本はなぜ「無線通達の真偽」を語らないのか?
多くの人が抱く素朴な疑問だと思います。

中国空母「遼寧(リョウネイ)」から発艦した戦闘機J-15から、航空自衛隊(空自)のF-152度レーダーを照射をしたことは、防衛省の発表と日本政府の抗議で明らかになりました。

一方で中国側は
「日本側も無線通達を受信していた」
と主張しており、日本国内では
「なぜ日本は否定も肯定もしないのか?」
という疑問が強まっています。

実際、私自身も今回の件で「なぜ事実関係をはっきりさせないのか?」と感じました。
調べていくと、沈黙の背景には 軍事機密・情報戦・現場保護 の3つが浮かび上がります。

この記事では、その理由を整理しながら、日本が“あえて沈黙する”背景を解説します。

目次

1.自衛隊が情報を出したくない最大の理由は「軍事機密」

中国空母・遼寧|今回レーダー照射を行ったJ-15が発艦する母艦
中国空母・遼寧|今回レーダー照射を行ったJ-15が発艦する母艦

レーダー照射や無線通達の有無を公表することは、具体的な機器の…

  • 性能
  • 受信範囲
  • 警戒網
  • 監視能力
  • どの周波数を傍受しているか

に直結しています。

もし日本が
「その無線は受信していない」と言えば、
中国は “では日本の監視能力はこの程度” と分析できます。

逆に
「受信した」と明言すれば、
“どの距離・どの方法なら日本に察知されるのか” を逆算されます。

どっちに転んでも不利で、
沈黙=最も損が少ない選択肢
というのが日本の安全保障の基本姿勢です。

2.中国は「情報戦」を重視する国。日本は“守秘重視”

J-15|レーダー照射を行った中国海軍の艦載機
J-15|レーダー照射を行った中国海軍の艦載機

中国は、政治・外交・世論戦で優位に立つために
早く・強く・断定的に発信する というスタイルを取ります。

今回の

  • 「日本も通達を受け取っていた」
  • 「日本側にも責任がある」

とする発表は、まさに宣伝戦の一環。

事実関係よりも、
“国際世論でイニシアチブを握る” ことを優先します。

一方で日本は

  • 装備情報の保護
  • 運用実態の隠匿
  • 現場の安全確保

を第一にするため、情報をほぼ出しません。

この“情報公開文化の差”が、
国民から見ると「日本がだんまり」のように映るのです。

3.日本が否定もしない理由:現場の自衛官を守るため

F-15|レーダー照射を受けた航空自衛隊の戦闘機
F-15|レーダー照射を受けた航空自衛隊の戦闘機

仮に本当に“無線を受信していなかった”場合、
政府が明言すると「それは現場のミス?」とされかねない。

逆に「受信していた」と認めれば、
どの状況で受信したのかという「運用情報」の暴露につながる。

防衛省は、現場の判断や装備を守るために
あえて曖昧にしている可能性が高い のです。

4.沈黙が「発言した方が勝ち」に見える問題はある

国民視点では、

  • 事実が分からないままモヤモヤが残る
  • 中国の一方的な発信が“既成事実化”してしまう

という問題があります。

しかし、政府としては
機密を守ることが“国家としての勝ち”
と判断しているため、詳細は出せない。

これは正しい面もありつつ、
透明性の面では課題も残ります。

まとめ

日本の沈黙は「弱腰」ではなく、中国が最も嫌う“情報を与えない戦術”と言えます。

今回のまとめです。

日本が無線通達の真偽を語らない理由

  1. 軍事機密の保護が最優先
  2. 情報を出すと中国に“答え合わせ”をさせてしまう
  3. 現場の自衛官を守るため
  4. 日本は情報戦より守秘文化が強い

つまり、
沈黙は弱さではなく「戦略的沈黙」 ということです。

ただし、国民に不信感が残るのも事実で、
今後は“出せる範囲の透明性”を高めていく必要はありそうです。

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