現在、東京都には約1,040箇所の踏切が残されています。これは都市整備局の最新データによる数で、以前の「約1,200箇所」という数値から減少しています。
踏切は都市交通の障害や渋滞の原因となることがあり、東京都では立体交差などによる踏切対策を進めていますが、すぐにすべてがなくなるわけではありません。
そんな都会の「開かずの踏切」の5選を、現状の課題や動きと合わせて紹介します。
- 第二中里踏切(山手線 駒込ー田端)
- 厩道(うまやみち)踏切 / 青山街道踏切(埼京線・湘南新宿ライン 新宿ー渋谷)
- 第一雲雀ヶ谷踏切(埼京線 池袋-板橋)/ 東3号踏切(東武東上線 北池袋-下板橋)
- 第三下田端踏切 / 第二下田端踏切(東北回送線 上野-尾久車両センター)
- 井頭踏切 / 根岸踏切(京浜東北線 王子駅-東十条駅間)
第二中里踏切(山手線 駒込ー田端)
山手線沿線で唯一残る踏切として知られる「第二中里踏切」は、周辺の道路と山手線の交差点に位置しています。
以前は遮断機が下りた時間が長い印象でしたが、現在は立体交差化事業の進展が進んでいて、補助第92号線の整備に伴い廃止へ向けた工事が進んでいます。そのため将来的には撤去される予定です。
厩道(うまやみち)踏切/青山街道踏切(埼京線・湘南新宿ライン 新宿ー渋谷)
都会のど真ん中にある踏切が「厩道踏切」と「青山街道踏切」です。
この付近で並走する山手線と中央線は高架ですが、地上を走る埼京線・湘南新宿ライン(山手貨物線)は2つの踏切を横断しています。
代々木駅からJR線の東側、明治通り方面に進む場合、JR利用者は代々木駅東口が利用できますが、
都営大江戸線の利用者は、西口側にしか出口のないので、このどちらかの踏切を渡るか、南に150mほど進んだガードをくぐるしかありません。
厩道踏切を使い明治通りとの交差点に出るまではわずか300m弱ですが、ガードに回り込むと交差点まで900m近くも歩くことになり、必然的にこの踏切に人が集中します。
そのため湘南新宿ライン、埼京線が上下合わせて1時間あたり40本以上が通過する朝のラッシュ時は、電車の通過を待つ人でごった返し、イライラで張り詰めた空気が伝わって来ます。
第一雲雀ヶ谷踏切(埼京線 池袋-板橋)/ 東3号踏切(東武東上線 北池袋-下板橋)
埼京線、東武東上線が並行する区間の踏切で、名称はそれぞれ異なりますが、複線ふたつを渡る踏切として一体運用されています。
“ツボにはまったとき”の待ち時間の長さです。
埼京線は池袋駅以南で同じ線路を共用する湘南新宿ラインとのからみでダイヤが乱れやすく、東上線も北池袋と下板橋との駅間が短いため、各駅停車の踏切通過に時間がかかります。
さらに東上線は池袋駅で折り返しとなるため、ダイヤが乱れると、この区間での「停止信号待ち」も頻発、文字通りの“開かずの踏切”になってしまうのです。
ただ救いは、踏切のすぐ横に地下道が整備されていることです。
待ち時間が長いことを知っている地元の人は、警報器が鳴ると迷わず地下道に下りて行きます。
東京都はこの埼京線、東上線の踏切をまとめて立体交差でパスする補助第82号線を事業化しています。ただ、踏切の西側は住宅密集地となっているため、その開通にはまだまだ時間がかかりそうです。
第三下田端踏切 / 第二下田端踏切(東北回送線 上野-尾久車両センター)
回送線にあるため運行本数は少ないものの、いったん遮断機が下りると待ち時間が長い踏切がこの「第三下田端踏切」「第二下田端踏切」。
2025年以降、鉄道事業者では踏切安全対策として、AIで踏切内滞留を検知するシステムなどの導入が進んでいます。これにより将来的な安全性向上が期待されています。
この踏切はJR東日本の尾久車両センターに出入りする電車の回送線上にあるためです。
警報器が鳴り、遮断機が下りてから、ふつうの踏切に比べ「3倍くらいは待ったかな?」というところで、回送車両がゆっくりと通過していきます。
井頭踏切 / 根岸踏切(京浜東北線 王子駅-東十条駅間)
都内にあるJR東日本の踏切において隣り合ったこのふたつの踏切が渡るのは、
京浜東北線、上野東京ライン、湘南新宿ラインの3複線。
近隣駅の発着時刻をもとに平日朝7時台、8時台の通過本数を推定すると、それぞれ70本以上。
じつに1分に1本以上が通過するため、「開いてることがまれ」という状況なのです。
運転本数が少なくなる日中でも、1時間あたり30本以上が通過するため、
いったん遮断機が下りるとまとめて4-5本待ちになることが珍しくありません。
歩行者はのんびり待つか、井頭踏切に隣接する地下道をくぐるのが良いようです。
クルマで利用するのは「どうしてもこの踏切を渡らなければならない」という事情がある人だけのようです。
踏切周辺は道も狭く、踏切待ちのクルマが線路西側に並行する道路(クルマがすれ違えない道幅なのに対面通行!)まであふれ、踏切が開くまであたり一帯がまったく動かなくなることもあるくらいだそうです。
おわりに
東京都内の踏切は数を減らしつつあるものの、多くの区間で依然として長い遮断時間や交通課題が残っています。
立体化事業や最新の安全対策が進んでいるものの、すべての踏切がすぐになくなるわけではなく、今後も改善・整備が必要です。


コメント