近年、わたしたちの食生活に身近な野菜のブロッコリーが2026年度から「指定野菜」に格上げされます。
格上げされるブロッコリーについて、食卓の人気となった栄養成分や、栄養を残す調理のコツについて紹介です。
TV番組まつもtoなかい にラグビー選手の稲垣啓太夫妻が出演された際に、あの強靭な身体を作っている食べ物は「白米、むね肉、ブロッコリー」だと話をされていました。
現在、14品目の野菜が指定されています。
- キャベツ
- きゅうり
- サトイモ
- 大根
- たまねぎ
- トマト
- なす
- にんじん
- ネギ
- 白菜
- ピーマン
- ほうれん草
- レタス
- ばれいしょ
1974年の馬鈴薯(バレイショ)以来、約半世紀ぶりとなります。
2026年度からの適用となります。
格上げ
ブロッコリーは、現在、指定野菜に準ずる35品目の「特定野菜」です。
特定野菜から指定野菜に格上げされるのは初めてだそうです。
出荷量
農水省の発表によると、22年産の出荷量は、15万7,100トン。12年産と比べると28%増えました。
総務省の家計調査でも、1世帯(2人以上)の購入量が22年に4,850グラムとなり12年と比べると29%増だそうです。
農水省によると、「特定野菜」の中で出荷量は横ばいか減少傾向にある野菜が多い中、ブロッコリーは指定野菜と同じレベルの需要になったようです。
ブロッコリーは栄養が豊富!!
格上げされたブロッコリーの栄養はどんな物が含まれているか?
- タンパク質 :筋肉・骨・内臓・皮膚・毛髪といった体の組織をつくる材料
- 植物繊維 :腸内作用を発揮し環境を整えます
- ミネラル :身体を構成する主要な4元素(酸素・炭素・水素・窒素)以外の総称。
体内で生成できないため、食事から摂取しなければなりません - ビタミン :体の機能の正常に保つための有機化合物
- フィトケミカル:植物の苦み、渋み、辛みや色素などに関与する抗酸化作用の有る成分
ブロッコリーには、身体を健康に保つために必要な栄養成分が多く含まれています。
含有量の多い栄養成分
- カリウム
- ビタミンC
- ビタミンK
- β‐カロチン
- スルフォラファン
カリウムはミネラルに、ビタミンCとビタミンKとβ‐カロチンはビタミンに分類される栄養素です。
スルフォラファンはフィトケミカルに分類されます。
それぞれの特徴について詳しく説明
カリウム
カリウムは血圧を抑え、むくみの解消効果なども期待される栄養素です。
体内にナトリウムや水分が増えると、血圧が上がった、身体がむくんだりします。
カリウムには余分なナトリウムや水分を排泄する働きがあり上記の問題が解消されます。
筋肉の機能にも作用し、筋肉が正常に働くようサポートします。
ビタミンC
ウィルスや菌から身体を守る機能をサポートし、免疫力を高める効果が期待されます。
皮膚や骨、血管を維持するするために必要なコラーゲンの合成にも関わっています。
シミのもととなるメラニン色素の生成を抑える効果も期待されていて、日焼けの予防にも役に立ちます。
ビタミンK
骨の健康を維持するために必要な栄養成分です。
止血に必要な物質の生成にも関わっています。
β‐カロチン
緑黄色野菜に多く含まれ体内でビタミンAに変換される栄養成分です。
目の健康を保ち明暗や色の識別の働きをサポートします。細菌の感染を防ぐ効果が高まります。
スルフォラファン
抗酸化作用のある成分です。
体内で増えた活性酸素を除去していくことが、老化や、がん、生活習慣病などの予防になります。
活性酸素によって酸化を抑えることを、抗酸化と言い、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用と言います。
抗酸化とは体の中を錆びつかせない(酸化を抑えること)ことですが、活性酸素は体内の酵素によって分解されます。
保存
スーパーなどでは、はだかのまま販売されていますが、鮮度の良いものを購入して自宅の冷蔵庫へそのまま保存していないでしょうか。
直接冷蔵庫に入れると冷気によって、乾燥して鮮度が落ちてしまいます。
すぐに調理しない場合は、冷蔵庫では保存袋などに入れて乾燥を防ぎます。湿らせたキッチンペーパーでブロッコリーを包み茎を下にして立てて保存すると良いです。
栄養を逃さない調理のコツ
栄養素の多いブロッコリーですが、調理により栄養成分が損なわれてしまいます。
そこで栄養成分をできるだけ残すための調理のコツの紹介です。
新鮮なうちに調理
収穫後もブロッコリーは成長を続けています。
土から栄養を吸収していたブロッコリーは、収穫後は自身に含まれる栄養成分で成長を続けます。
そのため常温で保存するより冷蔵保存することでブロッコリーの成長を抑えることができます。
成長を続けるブロッコリーの栄養は少しずつ失われていきます。スーパーなどで購入したら新鮮なうちに調理してしまいましょう。
空気に触れさせない
ビタミンCは空気に触れると減少します。
そのため切り口はできるだけ小さくしたほうが良いです。
ブロッコリーを細かく切るより大きめにカットしましょう。
茎の部分には栄養が豊富ですので捨ててしまわないように!!
茎の表面の硬い部分は切り落として、柔らかい白い部分を調理しましょう。
加熱時間に注意
ブロッコリーの栄養成分は水や油に溶けやすいものや、高温に弱いものがあります。
- カリウム :水に溶けやすい
- ビタミンC :水に溶けやすく高温にも弱い
- ビタミンK :油に溶けやすい
- β‐カロチン:油に溶けやすい
- スルフォラファン:油に溶けやすく高温に弱い
油に溶けやすい性質のビタミンK、β‐カロチン、スルフォラファンは油を使って調理しましょう。
吸収率が上がるので、サラダにかけるドレッシングには油が使われているものがおすすめです。
水に溶けやすい性質や高温に弱い栄養素のカリウム、ビタミンC、スルフォラファンなど、加熱時間や冷却方法を注意して調理して栄養素を損なうのを防ぎましょう。
茹でる場合
1~2分程度の短時間で茹でる!!
茹でたブロッコリーはザルに移し、水気を切りながら予熱を使って芯まで火を通す。
カリウムとビタミンCは水に溶けやすいためお湯に入れる時間は短くして流失を防ぎます。
短時間でさっと茹でるようにしてあとは予熱を使います。
流水を使って冷やすとカリウムとビタミンCは洗い流されてしまいます。
電子レンジで加熱
栄養を残す調理方法としては電子レンジを使った加熱方法がおすすめです。
耐熱皿にブロッコリーを並べ、スプーン1杯の水をブロッコリーに掛けラップを掛けます。
量にもよりますが500Wで2分程度の加熱がおすすめです。
加熱は短時間で行い冷却は自然に冷めるのを待ちましょう。
おわりに
2026年度に重要な野菜の「指定野菜」に昇格するブロッコリー。
栄養豊富なブロッコリーですが、栄養素をなくしてしまう調理の仕方を間違えないようにしましょう。
そんなブロッコリーの紹介でした。
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